要約⑤ 岩立(2006)

 

岩立(2006)

 

現在、言語発達を論じている立場には生得主義と使用基盤がある。本稿では、両者の限界を次の三つの心理学的な視点:日本語を母語とする子どもの項構造、発話が遅れる事例、fMRIを用いてのバイリンガル児の言語発達での脳の使用を検討し、新たな社会的・生物的認知アプローチを提案する。生得主義の主張では、発話が遅れる事例、それぞれの動詞がアイテム・ベースで習得されることを説明できず、使用基盤モデルでは、発話が遅れる事例、脳の発達に関心が向けられないため不十分であることが示唆された。そこで、社会・生物的認知アプローチが注目されるようになった。